アメリカ人の観客と一緒に日本の時代劇映画を観たら…

2011年のニューヨーク・アジア映画祭では三池崇史監督の『十三人の刺客』も上映された。日本で既に観ていたが、日本の、しかも時代劇の映画に対するアメリカの観客の反応見たさに出かけた。アメリカでも本作は既に公開済みだが、一部カットされているとか。映画祭ではノーカット版が上映されるということで、熱心なファンが集まっていた。客層としては、シニアや、20代から40代のいかにも日本やアジアの映画のオタクっぽい男性達が多かったように思う。そして上映開始、いきなりの切腹シーン。何度観てもそのリアルさに思わず咳き込む。すると隣のおじさんが“大丈夫かい?これがあと2時間くらい続くんだよ?”と声をかけてくる。それだけリアルなのだよこの日本の映画は、と胸を張る私。将軍の弟の残虐な行為や切腹シーンには、”Oh!”という声もあがった。その後に”no!”と続かなかったのは、日本の映画に敬意を表してくれていたのか。しかし、ラスト50分の死闘シーンに入った時だった。客席のあちらこちらから笑い声が起こったのである。日本の映画館でなら、固唾をのんで声も出さずに観守っているところだ。実はニューヨーク滞在で感じたことだが、アメリカの観客はよく笑う。日本の観客が何でも真面目に受け止めるところを、アメリカの観客は何かと笑って楽しんで受け止めるのだ。しかし、まさか『十三人の刺客』でもそれをするとは。なかなか興味深い一夜であった。